深夜高速バス

再度、東京へ行くことを決心した私は、必死になってお金を貯め始めます。

東京へ出てからのアパートを借りるための「敷金」「礼金」「前家賃」そしてアルバイトを見つけて、収入が入ってくるまでの生活費を考えると「 60万円」ぐらいは貯金をしたいと考えました。

しかし、ラーメン屋で出前のアルバイトで働くのは昼の時間帯だけですから、60万円を貯めるためには1年半ぐらいは働かなくてはいけません。

しかもその期間中も、肝機能が悪くなったり良くなったりの繰り返しで、たまに入院したりすると、貯めたお金が少なくなります。

思うようにお金が貯まらず、その間も肝臓の細胞がどんどんと壊れていき肝硬変に近づいているのかと思うと気が焦りました。

「どうしたらこの状況を打開できるだろう?」

無い頭で必死に考えた私は、次のような結論を導き出しました。

「宗教団体?が主催しているセミナーのようなものに参加して、宇宙にある5つのステージの最高ステージまで行くことができるようになれば病気が治るのだから、まずは東京に出ることを優先しよう」

そのためには、「不足しているお金は、借金をして補おう」このように考えたわけです。

今考えると「アホだね~」って感じなのですが、その時にはそれしか思いつきませんでした。

気が焦っていたというのもあるかもしれません。

そこで、サラリーマンローンいわゆるサラ金の「武富士(今はない)」に行き借金を申し込みました。

しかし、かせるお金は確か「5万円」と言われたと記憶しています。

今思うと、ラーメン店の出前バイトの身でよくまぁ借金しに行ったもんだと思います。

当時はそういった知識すらありませんでした。

5万円では到底東京に出ることができません。

そこでまた仕方なく地元にいる友達の借金を頼みました。

このときは辛かったですね~

本当は親に頼めばよかったのでしょうけど、私の両親にはそんな余裕はありませんでしたね。

また、頼んでも貸してくれなかったでしょう。

そういうような関係性ではありませんでしたから。

友人は快くお金を貸してくれました。本当にありがたかったですね。

ただ、借金を申し込むときは、宗教団体用のようなところで半年間に渡りセミナーを受講するためにお金が必要とは言いませんでした。

正直に言うと100%貸してくれないだろうと思ったからです。

東京へ行くための次のハードルはアパート探しでした。

東京へ行ってから住むところを探していたのでは、不経済なので東京にいる友人に連絡を取り、アパートを探してくれるように依頼しました。

借りるためのお金は友人の口座に振り込みました。

このときは振込手数料ですら「え~高い!もったいないなぁ」って感じましたね~。

少しでも節約したかった私は、友人にアパートの家賃を「とにかく安いところで、できれば家賃2万代で」とオーダしていました。

当時は23区内でも2万円台のアパートはありましたね。

さて、友人から「アパート借りれたよ」との連絡をもらった私は、深夜高速バスで東京に向かいました。

当時の高速バスは今と違い、乗り心地は最悪でしたね。

しかし心の中は「ワクワク感」でいっぱいでした。

「B型慢性肝炎を治すことができる。これで普通の生活をすることができる」って思っていましたらから。

しかし、現実はそう甘くはありませんでした。

続く

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