無一文の難病患者から復活した方法 第十話

深夜高速バスで東京の品川駅に着いた私は久しぶりの東京の空気にワクワクしていました。

「B型慢性肝炎を治せる日が近づいている」

このことを思うだけでスキップしたくなるような気持ちでしたね。

品川に着いたついた私は早速、友達が借りてくれた板橋区の成増にあるアパートへ向かいました。

友達には「家賃が2万円台までしか払えない」とオーダーしておきましたが、実際に目の前に自分が住むアパートを見た時にはちょっと心が折れそうになりました。

あまりにもボロボロだったもので。。

まるで幽霊屋敷でしたね。

トイレ共同、風呂なしです。

ギリギリ、キッチンと呼べるものはありましたが、料理をできるような広さはありません。

しかし「肝炎を治して頑張っていっぱい働いて、いい部屋に引っ越しすればいい」こう思い直すと少し気持ちが楽になりました。

引っ越してきたその日は、布団もなかったので畳の上にバスタオルだけを敷いて寝ました。

その日の夜はセミナーに参加して、病気を治した後のことを考えると、もう楽しくて嬉しくてななかなか寝ることができませんでした。

そしてその次の日、私は宗教団体のような団体のセミナーに申し込むためJR山手線の恵比寿駅にある事務所に向かいました。

駅についたものの事務所が入っているビルが見つかりません。

今のようにスマホとGoogleマップがあれば簡単に見つかるのでしょうけど、当時は自力で探すしかありませんでしたね。

1時間位は探したと思います。しかし、どうしても目的のビルを探すことはできません。

「仕方がない、電話して聞いてみよう!」そう思い公衆電話を探して電話をしてみました。

道に迷ってることを伝えると丁寧に案内をしてくれましたが、電話を切る直前に、電話口の女性が「ところで加川さんはどういったお悩みがあってセミナーに参加されたいんですか?」と聞いてきました。

私はB型慢性肝炎にかかっていることを伝え、「この病気を治したいんです」と伝えたところ、その女性の人は少しお待ち下さいと言って電話を保留した後、「セミナーに参加していただくことはできませんと」断ってきました。

私は不意打ちを食らったような気分になりました。

この日のために私はお金を貯めて東京に出てきたわけですから、「はいそうですか」と言って電話を切って帰るわけにはいきません。

「なぜダメなんですか?どんな願望でも叶うと書いてあったじゃないですか?」

そう反論すると「B型肝炎は感染性の病気なので、人がたくさんいるセミナーに参加されては困る」こういう回答でした。

確かに B 型肝炎は感染する病気ではありますが、「空気感染するわけではないのでセミナーに参加しても問題ないのではないか」と受付の女性に強く言いましたが、向こうも頑として受け付けません。

10分くらいは粘りましたが結局は諦めざるを得ませんでした。

「この一年半は何だったんだ。バカみたいだ」

こんな考えが浮かんできて、めちゃくちゃ落ち込みましたね。

B型肝炎を宣告された時以上に落ち込んでしまいました。

「もう道はない。人生終わった」

こんなことを呟きながら、体が鉛のように重くなっていくのを感じていました。