B型肝炎で入院してから一週間後、ようやくドクターから詳しい診断内容を聞くことができました。
しかし、ドクターの口から出た言葉は、私を奈落の底に落とすようなものでした。
詳細に覚えてるわけではありませんが、大体次のような内容だったと記憶しています。
「今の医療では、B型慢性肝炎を治すことができません。これといった薬もなく、安静にしているくらいしか手がない病気です。しばらく安静にしていれば、検査の数値は落ち着いてくると思います。ある程度落ち着いてくれば退院しても構いません。また肝炎患者の会というのもあるので、そこに入って色々と情報交換をするのもいいでしょう」
ドクターから、「今の医療ではB型肝炎を治すことができない」という言葉を聞いて私はすぐさま聞き返しました。
「先生、B型慢性肝炎が治らない病気であるのであれば、私は最終的などうなってしまうんですか?」
この質問に対し対しドクターは次のように答えました。
「肝炎が劇症化しない限り、いきなり死んでしまうというようなことはありません。慢性的に炎症を繰り返して、将来的には肝硬変になり、そして肝臓ガンになってしまうという可能性はあります。なので、肝硬変にしないということが非常に重要となります」
将来的に肝硬変や、肝臓ガンになるかもしれないという言葉を聞いた時、これはこれでショックでしたが、その他にもっとショックなことがありました。
それは、B型肝炎は性交渉などによって、人に感染する可能性が高いということです。
ということは、彼女を作ったり、結婚をしたりするということが非常に難しいということになってしまいます。
当時私は23歳でした。
彼女が欲しい年頃でしたし、将来的には結婚もしたいと考えていました。
しかし
「自分は B 型肝炎で治らない病気です。付き合ってもらえませんか?」
と言って、
「はい。付き合います」
と言う女性がいるとは思えませんでしたし、将来、肝硬変や肝臓ガンになるような男性と結婚したいと思うような女性もいないでしょう。
「もう女性と付き合うことができない」「結婚もできない」この事がめちゃくちゃショックだったのです。
この後、しばらくして私は退院しましたが、それ以降入院・退院を繰り返しました。
この頃は経済的にも困窮していました。
なにせ、入院退院を繰り返すもんですから、満足に働くことができませんし、入院費もばかになりません。
貯金は底をついてしまいました。
もうこれ以上どうにもならないと感じた私は、ある日東京の品川区役所に生活保護の申請をしに行くことになります。
しかし、ここでもまた打ちひしがれるような言葉を浴びせられることになります。
明日に続く。。