「なぁ、加川、商売は難しいぞ やめとけよ」
”谷中しょうが”をシャキシャキと食べながら、先輩は言いました。
「ダダン、ゴトン」と頭の上を京浜東北線が通るたびに、机の上のとっくりから日本酒がこぼれそうになる。
そんな新橋のうるさいガード下の居酒屋でした。
「西新宿のガード下で寝るはめになってもいいのか?」
「冬は寒いぞ」
「夏は蚊に刺されて大変だぞ」
「第一、お前、捨てられているモノを食うことなんてできるか?」
次々とネガティブな言葉が出てきます。
これらは、私が、独立を考えているとき、ある先輩に相談したときに言われた言葉です。
ビールを飲んでは、「シーハー」とつまようじで歯を掃除する先輩の横顔を見ながら、「メラメラ」と反抗心が湧いてきた私は言いました。
「なんで、そんな失敗を前提にした言葉ばっかりなんすか?」
「うまくいくかもしれないじゃないですか?」
こういうと先輩は・・
「バーカ、商売なんていうのは、うまく行くのはごく一部の人間で、ほとんどのヤツが失敗するんだよ!」
「俺の知り合いも皆失敗して、サラリーマンを辞めるんじゃなかったって言ってるよ」
当時は、私の周りに会社員を辞めて、商売を始めた人がいなかったので、私は「そんなもんかなぁ」と考えたときもありました。
あれから18年たって、その先輩に会うと、「お前はうまくやったよなー、運がいいんだよ」と言います。
「なんでこんな先輩を持ってるんだろう」と情けなりつつも、ハタと思いました。
日本には、私のような先輩が多いために、いったいどのくらいのやる気を持った芽が摘み取られているのだろうと。
私の先輩は大学を卒業してからズーットサラリーマンをやっています。
独立して商売をやった経験はありません。
ですが、「商売は止めておけ」と私に言いました。
いったいどんな根拠に基づいてそのような言葉を言ったのか?
このことを先輩に聞いてみると、「いやぁ、商売って難しいものなんだろう?よくわかんないけど、頑張れとか言って、お前が失敗したら、俺のせいになるだろぅ?」
このように笑顔で言うではありませんか。
「おいおいおっさん、俺の人生台無しになるとこだったろう」心の中でこんなふうに毒づいたものです。
あなたは今、どんな悩みを持っていますか?
あなたは今、どんなことを知りたいですか?
そんなあなたへ私からアドバイス。よーく聞いて下さい。
人の意見なんて、100%まともに聞いたらダメよ。
聞いてもいいのは、あなたが目指している分野であなたが目標としているモノを既に手に入れている人だけです。
でも、最終的な判断はあなたがするように!
人のアドバイスや、書籍、セミナー、そんなんを真に受けて、一生を棒にふってしまう人も多くいるんだよ。
「自分の人生は自分が責任を持って舵取りするぞ」
こう決めてごらん。
決断の法則が働いて、ツキがあなたに味方するようになるよ。
あなたを成功に導くものは、あなたが実際の体験から得たノウハウや直感だよ。
私の先輩のような人の意見にはくれぐれもご注意。