手元に来た カードの使い方を決め、勝機をつかむのは自分自身

昨年の9月のことでした。

漫画家を志していて挫折した女性と話をしました。

彼女は親に反抗し、大学へは進学をせず、実家を飛び出し、東京へ出てきて漫画家になる努力をしていました。

小さいときから漫画を描くのが好きだった彼女は、漫画家になるという夢を追いかけられる環境を手に入れられたというだけで幸せだったそうです。

しかし、月日の経過と共に現実の厳しさが彼女を襲います。

アルバイトをしながら漫画家の勉強をしていた彼女は、収入的にかなり低く、質素な生活で暮していかなければいけませんでした。

そんなとき、実家のお母さんが脳梗塞で倒れてしまい、実家に帰らなければいけなくなりました。

実家に帰ったものの、両親とはしっくりいかず、居心地の悪い日々を送ります。

また、高卒の彼女は、なかなか自分が思い描くような理想の職業にも就くことができませんでした。

夢を諦め実家に戻ってきた、しかし、両親とはうまく行かず、居心地が悪い。しかも、思ったように就職も出来ず、時給の安いアルバイトしかできない。

このような情況の中、私の田舎の知人を介して、私は彼女と会うことになりました。

彼女は私と会ってから一時間くらい、いかに世の中は不公平であるかということを喋りました。

「漫画家の才能に溢れていて、しかも生活費まで実家の親が仕送りをしてくれている人がいた。しかし、自分はバイトをして暮していたから、辛かったし、漫画の勉強が思うようにできなかった」

「自分と同じ高卒なのに、親のコネで役場に入り、安定した職場で働いている友人がいる。能力は同じなのに、私は安い時給でアルバイトしかできない」

「自分は年頃で遊びたいときなのに、寝たきりの親がいて、しかも定職も無い、だけど、A子ちゃんは、いい歳して、親からマンションを借りてもらって仕送りまでしてもらって専門学校に通っている」

などなど・・・

彼女の話を一通り聞いた私は、彼女に次のような言葉をプレゼントしました。

「人生が自分に配ったカードは、ただ受け入れるしかない。しかし、手元に来たカードの使い方を決め、勝機をつかむのは自分自身である」

フランスの哲学者の言葉であるボルテールさんの言葉です。

彼女の目はきょとんとしていました。

人生とはもともと不公平です。

厳密には均一ではないと言うべきですが。

(お金持ちの家に生まれた人と、貧乏な家に生まれた人を比べて不公平と言うのは、お金持ちの家に生まれる方が良いという考えがあるからです。賢明なあなたはお分かりのように、必ずしもお金持ちの家に生まれるのが幸せとはかぎりません)

「不公平だ」とわめいても泣いてもどうしようもないのです。

人と比べるだけ自分がみじめになっていくだけです。

ボルテールが言うように、手元にあるカードを使って生きていくしかないのです。

手元にあるカードをよく見つめて、有効な使い方をじっくり考えた人には必ず幸運が訪れます。

手元に配られたカードに不平不満を言って、他人のカードを羨ましがってばかりいる人に幸運は絶対に来ません。

これは断言します。

幸い彼女は、性格が素直で頭も良い女性だったので私が言いたいことをスグに飲み込みました。

この間電話で話したときには、以前の彼女とは別人のようでした。現在、彼女は通信教育で社会保険労務士の勉強をしています。

あなたは、手元に配られたカードを「いかに有効に使うか」ということを考えたことがありますか?

手元にあるカードで勝機を見出すチャンスを伺っていればチャンスの女神はいつか必ずやって来てくれますよ。

ただし、チャンスの女神には後ろ髪がありませんから。

念のため。