無一文の難病患者から復活した方法 第15話

私は、日本赤十字社医療センターにおそらく5回ほど入院をしていると思います。

その中でも印象に残っている出来事が二つあります。

まず一つ目は「お正月を病院の中で過ごしたこと」ですね。

多くの方は、外出の許可を得て家に帰ってお正月を過ごしていましたが、私の場合は外出の許可が出なかったため、病院で過ごすことになってしまいました。

私は大部屋に入院していましたので普段は6人の人がいるのですが、お正月は私だけが残っていました。

お正月だから、一応、おせち料理のようなものも出てくるのですが、やはり、そこは病院食ですからそれほど美味しいという言えるものではなかったと思います。

この時はやはり落ち込んでしまいましたね。

「なんで自分は、病院の中で正月を過ごさなくてはいけないんだろう」って。

お正月といえば家族や親戚が集まり賑やかな雰囲気の中で食事をしたりお酒を飲んだりして過ごすって人が多いでしょう。

でも、自分はガラーンとした病院の中でポツンと一人でベットに横たわり、食事をしている。

何とも言えない虚しい気持ちになりました。

もう一つ印象に残っているのは、渋谷のセンター街の夜景です。

私が入院していたのは8階の病棟でした。

そこの談話室(入院患者さんが面会の人とお話をしたり、テレビを観たり談話する部屋のこと)から渋谷のセンター街がよく見えるわけです。

渋谷センター街といえば日本有数の歓楽街しかも若者がメインの歓楽街ですよね。

金曜日の夜になったりすると、多くの若者がJR渋谷駅からセンター街に流れていくのが見えます。

自分と同い年ぐらいの人が渋谷で楽しく遊んでいるのに自分は病院の中で長い時間を過ごしていると思った時にはなんともやりきれない気持ちになったもんです。

入院生活も長くなってくると病気でいることに慣れてしまってさほど精神的な苦痛というものを感じなくなってしまいます。

人間は何にでも慣れてしまうもんなんだなあと思ったものです。

気持ちの中では「もう病気は治らないのだから」という諦めも大きくなり、まあ「人生どうなってもいいや」という気持ちが私の頭の中を占めていました。

しかし、そんな私に大きなきっかけがやってきました。

それは5回目の入院だの時だったと思います。

これが私の最後の入院となりました。

私にはお金がなかったので、暇をつぶすために本を買ったりすることができませんでした。

なのでいつも移動図書館というものを楽しみにしていました。

移動図書館とは、入院していた患者さんが残していった本を移動式のラックのようなものに詰め、それをボランティアの人がガラガラどうして談話室に行ってくるんです。

確か毎週水曜日だったように記憶しています。

今と違い、私はスピリチュアル系のものを全く信じていませんでした。

なので、普段借りる本と言うの小説ばかりでした。

しかしなぜかそのとき「眠りながら成功する ジョセフ・マーフィー著」という本を借りました。

副題に「自己暗示と潜在意識の活用」と書いてあったのが興味を引いたのだと思います。

更にもう一冊借りました。

当時、東海大学の物理学の教授であった謝世輝さんの書籍です。

タイトルは「信念の魔術」だったと思います。

この二つの本との出会いが私の人生を大きく変えていくことになります。