人が100人いれば、100通りの世界観があります。
100人が温泉旅行に行ったとします。
その100人に温泉旅行の感想を聴くと100パターンの感想があります。
その理由は、人ぞれぞれ毛布体賦活系の働き方が違うからです。
毛布体賦活系のことを、これ以降はRAS(ラス)と呼びます。
このRASが夢・願望実現に重要な働きをします。
あなたの願望や夢が潜在意識に刷り込まれると、潜在意識はRASに願望や夢を現実にさせるための情報をキャッチするように働きかけます。
RASと言うのは、あなた専用の秘書であり、外部から入ってくる膨大な情報をあなたにとって必要なものかどうかを判断し、必要なものだけをあなたの脳に送り込んでいます。
つまりあなたにとってどうでもいいような情報や興味ないことはあなたには入ってこないというわけです。この赤い枠線で囲ったところがRASと呼ばれるところになります。
RAS はあくまであなたにとって大事な情報だけを通過させます。
例えばあなたには次のような経験はありませんか?
満員電車の中、パーティーや宴会、飲み会など、うるさい人混みの中にいても、自分の名前が聞こえる。また、飲食店などで友人と会話をしながら食事をしていても、興味・関心のある単語などが耳に入ってくる。
車を買ったら、自分が乗っている車と同じ車種がこれでもかというくらい目につくようになる。
何かに集中している時には外部の雑音などが一切聞こえなくなっている 。
こういった事は全てRASの仕事だといえます。
RASのお眼鏡に叶っていない情報はあなたには入ってきません。
この RAS というフィルターによって見えなくなってしまう認識上の盲点のことをスコトーマと言います 。
こういったことを考えた時、今のあなたの世界、あなたの状況は、あなたの認識、つまり RAS を通して得られた情報によって成り立っているということも言えます。
人は、一度見たこと、聞いたこと、経験したことをRASというフィルターを通し。記憶の中に保存します。再度それらを再生する機会があった時には、記憶の中でそれらを再生し、そしてそれを自分の現実として認識をしています 。
RASの働きをわかりやすく具体的に説明すると次のようになります。
例えば次のような友達3人組が、とある東北の有名な温泉地に旅行に行ったとします。
Aさんは温泉の泉質に興味があります。
Bさんはお酒、特に日本酒が好きです。とくに純米大吟醸が大好きです。
Cさんはカメラが趣味で風景写真を好んで撮っています。
そして数ヶ月後、旅行に行った3人が飲み会をした時に、旅行の話題になったとしましょう。
旅行に行った3人はそれぞれ自分の価値観・信念が違いますから、それらに合ったRAS になっています。
そして、その RAS を通して得られた旅行の情報を記憶していますから、旅行に対する記憶は3人それぞれ違うということになります。
Aさんが、「あの露天風呂の泉質の説明面白かったよね。あれって宿の主人が書いたのかな?泉質はかなり白濁色で、ヌルヌルしていて気持ち悪かったけど」というと、Bさんが「え?そんなのどこかに書いてあったっけ?」と言います。Cさんは「え?そんなに白かった?ヌルヌルしてたかな?全然気がつかなかった」と言います。
次にBさんが「夕食のときに飲んだ日本酒美味しかったよな~。あの酒、フロントの横にあった売店で売っていたから買ってくればよかったよ。それにしてもあの売店、すごい品揃えだったね」というと、Aさんが「あーそう?売店行ったけど、そんなに日本酒いっぱい売ってたっけ?」と言い、Cさんは「へーそうなんだ自分は売店で売ってる絵葉書しか記憶にないな」と言います。
最後にCさんが「あの旅館の裏側にあった山の形って珍しいよね。ああいう形の山ってあんまり見たことないなぁ」というとAさんが「旅館の裏に山ってあったっけ全然気がつかなかった」 と言います。そしてBさんは「あ~、裏に山あったよね。形は覚えてないけど。あれ山じゃなくって、川とか海だったらロケーション的に最高だったのにね」と言います。
いかがでしょうか?
こういった経験は誰にでもあると思います。
今ここであげた事例は、RASの機能を分かりやすくするため、少し極端に表現していますが、人はこのように、自分の価値観・信念に沿ったものの見方をし、人それぞれの世界があるということです。
RASはあなたの代わりに、あなたの夢や願望を実現するために必要な情報を検索し、取り込み、RASから引き渡された情報は、あなたの潜在意識にどんどん蓄積されていきます。
「意識をどこに向けるか?」このことが夢・願望実現の大きなポイントになるんです。
意識を向けた先をRASは取り込むわけですから。